Clineと共に開発を始めてみる
最近AI使ったコード開発増えてきましたね。
Devin(※1)を使った人の話を聞いていたら、若手エンジニアと同じくらいの成果出るよとって言う人が多く興味が沸いてきました。ただ、2025年4月時点で月額プランで500ドル/月です。日本円にすると約7万円です。個人で触るにしてはお高いなと躊躇ってしまいます。
そこでAIを使った開発をするために無料であるCline(※2)と無料枠のあるAIを組み合わせが手軽に使える環境として考えられました。
今回はClineを使ってみてClineができることを紹介します。
Clineとは
ClineはVSCodeの拡張機能であり、AIによる開発支援ツールです。
Cline自体はOSSのため無料で私用することができ、以下の作業を行うことができます。
- コードの解析
- コードの新規作成、修正
- ターミナルによるコマンド操作
- コマンドやテスト実行結果の解析
ClineはGoogle Gemini(※3)など複数のAIモデルに対応していて、AIモデルを選択できることも特徴です。
今回はGoogle Geminiを使った例で記載します。
使用するAIモデルによっては有料であり、また無料枠を超えてしまった場合に課金されることもあるので、使用するAIモデルの課金仕様を把握して使ってください。
Clineの始め方
VSCodeにて、拡張機能のアイコンを開き、検索エリアにClineと入れるとClineの拡張機能が見つかりますので、インストールします。

インストールすると左側のアイコンの一覧にClineのロボットのようなアイコンが表示されますので、選択します。

次に右上の歯車マークを選択して以下の手順を実施してください。
以上で準備は完了です。
これでClineが使えるようになりました。
下記にアクセスして、APIキーを作成ボタンを押下します。
そうすると、以下のようにAPIキーが払い出されるので、Clineに設定します。
https://aistudio.google.com/app/apikey
これで準備は完了です。
Clineでできること
AIに開発支援でまず思いつくことがコードを書いてもらうことかなと思います。
早速書いてみます。
コードを書く
外部のAPIアクセスをまとめたクラスのメソッドにSteam(※4)のAPIで指定のユーザの直近プレイしたゲームを取得するメソッドを追加しようとします。
API仕様書からエンドポイント、リクエストが定義されていますので、これらから要件を指定してメソッドを作ってもらいます。
ゲームのプラットフォームに社内からアクセスは出来ないので、個人の端末で試してます。
まずチャット欄に指示を入れると以下のように対象のコードを読み込みを求めてきます。
読み込みだけなので、Approveをしてもコードが変更されることはありません。AIに触れて欲しくないコードや個人情報を含むファイルなどであれば拒否してください。

解析をすると、コードの修正差分を表示してくれます。
この結果をみて、コードとして反映したければ、Saveを押して保存します。
一部修正したい場合は、Saveした後に、再度提案して是正することもできますし、Saveせずに修正点を指摘して再度書いてもらうこともできます。

この作業を繰り返してコードを作成します。他のAI開発支援ツールでも同じですが、小さいタスクを積み重ねていく方がClineも向いています。そのため、Gitなど小まめにコミットを切り、テストなどで意味あるまとまりになった段階でマージしていくようにする手順での開発のやり方がお勧めです。
Clineでコードを作るまでの流れは以下になり、これを繰り返していきます。
- Clineがコードを読み込む
- Clineが解析する
- Clineがコードを修正
Gitで動作保証ができた単位でコミットを切っていれば、とりあえず変更を反映してましょう。
意図とずれていたら戻しをすればいいので、コードの修正の受け入れは気軽にはできます。
ターミナルの操作できる
他のAIツールでもできるかもしれないですが、Clineを使って便利さを痛感したことがターミナルのコマンド操作ができることです。
pythonで開発する場合にライブラリをプロジェクト入れることがあります。
例えば、以下の画面はSQLAlchemy(※5)を入れています。pipを提案されましたが、poetryでパッケージを管理したかったので、受け入れずに軌道修正しています。

コマンドを受け入れる場合に、「Run Command」を押下すると、実行されます。
VS Codeのターミナルでコマンドを実行してくれます。実行コマンドによっては開発環境全体へ影響のあるコマンドが実行される恐れもあるため、コマンドの実行は特に確認してから実行させるようにした方がいいです。

コマンドの実行結果も読み込める
Clineがコマンドを実行できるとを紹介しました。
Cline経由でテストを実行させ、テストが失敗したとします。

上記画面のテスト失敗の時にターミナルにでているエラーは以下です。

期待値とテスト結果の差分あるエラーがでました。
Clineは実行したコマンドの結果を読み込んでいて、結果を受けた修正の提案をしてくれています。
テストのエラーのため、あとはコード書いて直してくれましたが、インストールのコマンドエラーであれば、エラーを受けたコマンドを提案してくれます。
最終的にこのエラーを解消のため、テストコードのテスト結果を修正してもらい、再度テストを実行し、全てのテストが通ることの確認までしてもらいました。
承認していくだけでエラーを解消できることもあり、開発のしやすさ速さを痛感することになりました。
Clineでの開発をしたメリット
今回Pythonでコードを書いてみましたが、私はPythonを業務で書いたのは今年が初めてです。
ほぼ初めての言語でもClineを使えば他のオブジェクト指向言語での開発をした経験があるのであれば、開発できるレベルまでClineがサポートしてくれました。
自分が開発で使っている言語でもプロジェクト内の他のコードから類似部分をコピー&ペーストして持ってきてから修正していくことも多いのですが、Clineだと日本語で詳細仕様を伝えてると大体欲しいコードを書いてくれるので、開発のスピードとしては上がったと思います。
私が1番便利に感じたことはコマンド実行を行い、かつコマンドの実行結果を読み込んで対応してくれることでした。環境の定義などローカルで動かして是正していましたが、コマンド実行できることによって、Clineがエラーのフォローをして、実行までしくれるので、コマンドの影響だけ考慮して実行させるだけでもローカルでAPI実行できるようなコードと環境の立ち上げすることができました。
試しに無料で使える範囲で使ってアプリケーションを作りましたが、Clineなしで開発するのは厳しいと思うほど、便利さを感じました。
現場にも動いてくださった部署があり、社内のAIモデルを使ってClineが利用できる予定です。
参考
※1 DevinCognition 社が提供している自律協調型のAIソフトウェアエンジニア
※2 GitHub - cline/cline: Autonomous coding agent right in your IDE, capable of creating/editing files, executing commands, using the browser, and more with your permission every step of the way. Cline公式ページ
※3 Google が提供しているAI
Gemini
※4 Steam Valve Corporationが開発・運営しているPCゲーム向けのデジタル配信プラットフォーム
APIを提供しており、ユーザ、ゲームの情報を参照できる。
※5 PythonのORMapperのライブラリ
SQLAlchemy - The Database Toolkit for Python